8/30(木)、久留米市田主丸町で農業を営んでいらっしゃる田中大輔さんにインタビューさせていただきました。田中さんは大学卒業後、アメリカ・ドイツ・オランダでの農業研修に参加され、現在はご実家で無農薬のお米等を生産・販売されています。ある講習会でお会いしてから、毎月ご自身で編集・発行されているニュースレター「百笑だより」を送っていただいておりまして、その中に掲載されていた食に関するコラムや消費者の方との交流イベントの様子についてお聞きしました。
●ニュースレターの発行について
ブログ「農業は面白い!!~一生百笑~」をはじめたことがきっかけで、いままでになかった交友が広がりました。そこで、自分から情報を出していくことの重要さを感じ、今までのお客さんに対しても情報を出していこうと思いました。それとお米を購入してくれる方に対するアフターフォローが足りていないという点がありました。定期的に買ってくれる方もいれば、声をかけると購入してくれる方もいるような状態でした。ニュースレターで、もっと自分たちに親近感を持ってもらいたい。もっと自分価値の考えを知ってもらいたいと思っています。
●記事の構成について
(お米作りについてだけではなく、食についてのコラムや管理栄養士をめざしてらっしゃる妹さんのコーナーを設けた理由など)
内容については、まずいろんなことを書いていきたいというのがありました。米や花など実際に自分たちが作っているものの話だけだとどうしても商売色が強くなってしまいそうな気がしてそれだけは避けたいなと思っていました。自分たちが興味あることを書いていたら今のような構成になったって感じです。
妹のコーナーについてはまぁ自分だけで4ページ考えるのは大変なんで、妹にも仕事をさせようって考えたのが最初です。ちょうど管理栄養士の勉強をしていることもあって「ただ管理栄養士になったけんっていっても、就職できるとは限らん。この百笑だよりはいろんな人に出しよるけん、ひょっとしたら誰かの目に留まって、就職も出来るかもしれん。普通の就職活動よりもよっぽど効率的やろが」と丸め込んで書かせ始めました(笑)。しかし、最近ではこのコーナーが好評なんで、妹もかなりやる気が出てきたらしく、いい誤算です。
●生産者と消費者の交流イベントについて
イベントに関しては、お客さんのほうから田植えをしてみたいとか稲刈りをしてみたいという声があり
体験できるイベントをやってみようということになりました。しかし、体験がただ作業の体験というのでは意味がないと思ったので、作業だけでなく田舎を体験してもらおうと思いました。 最初は完全に手探りの状態だったんですが、1回目の体験のときに来てくれた方々が、全く面識がない方同士だったにもかかわらずすっかり意気投合していたり、自分たちも知らなかったことを教えていただいたり、自分たちが思ってもいなかった成果が出ました。 それを踏まえて、もっと自分たちがやっていること、田舎でしかできないこと、昔やったような懐かしい感じを体感してもらおうと思いながらやっています。
●ニュースレターや交流イベントの反響など
ニュースレターをきっかけに(今回のインタビューもですが)、新聞やフリーペーパーなどの取材のご依頼をいただくことが多くなりました。ニュースレター、イベントともにみなさんに楽しみにしていただいており、特にイベントには参加された方が知人の方を誘われたりして、徐々に増えてきており、いい流れが出来てきてますね。
※うきは・あさくら地区のフリーペーパー『地元新聞』、社団法人家の光協会発行の『地上』、日本農業新聞九州版等で、田中さんのイベント・ブログ・ニュースレターが紹介されたそうです。
元々田中さんのご実家では植木屋さんとしてのお仕事がメインだったそうで、いまでも生産や卸しは行っているそうです。お米については、自分たちが食べる分ぐらいを作っていたそうですが、徐々に生産量が増え、現在では個人の方や小売店に販売する他、道の駅などで古代米を販売したりしています。
ブログやニュースレターなどで情報発信をしてみると、自分が思っていた以上に農業に関心を持っている人たちがいて、お米作りの体験イベントもお客さんの方からやってみたいという声があがって始めたとのことでした。最初は参加者4人で始まったイベントが、口コミによって広がり、回を重ねるごとに人数が増えていったそうです。みなさんお米作り体験を楽しむのはもちろんこと、その後のおしゃべりタイムも楽しんでらっしゃるとのことで、これからも生産者と消費者の交流イベントとして続けていきたいとおっしゃっていました。
豊かな現代社会においては、食べ物に限らずどんなモノを作るにしても、作り手だけで議論するのではなく、消費者の意見を取り入れて行くことが重要になってきています。実際田中さんの周りでも、お互いに対話を求めているにもかかわらず、生産者と消費者が直接意見交換する場というのはあまりなく、田中さんとしては、いま自分がやっている活動をもっといろんなところに広げていろんな人を巻き込んでいきたいという思いがあるそうです。
最後に、『食と健康』についてお聞きしてみました。
なんといっても、人間食べなきゃ生きてはいけません!そういう意味では『食』は生活していく上でとても大切なものです。しかし、最近は食べ物の栄養価が下がっているとも言われています。消費者のみなさんには本当に良いものを選んで食べて欲しいと思います。昔から無農薬でやっているところは土が健康なので、雑草が生えたり、病気になったりすることもないです。人間も同じで、病気に負けない健康な体作りをしていくためには、食生活という根本から取り組まなければならないと思っています。無農薬のものはちょっと値が張ったりしますが、病気になって高額な医療費を払うよりは安く済んだりしますので、食の大切を知り、農業に興味を持ってもらいたいと思っています。
子どもを持つ母親のひとりとして、田中さんのように若い世代の方がお米作りだけではなく、いろんな活動を通して私たちの食卓を豊かにしてくれていることに感激したインタビューでした。
【農業は面白い!!~一生百笑~】URL:http://naturalagri.yoka-yoka.jp/
(取材担当/本間輝子)